チャプレン室よりメッセージ

10月のみことば

ひとりよりもふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い。(コヘレトの言葉4章9節)

 「イエス」というお名前は「インマヌエル(神と共に)」という意味があると聖書は教えています。このイエス様の存在の意味からして、聖書は私たち同士で苦労を分かち合って対処しろと言っているのではないことが分かります。

 世の中は「自己責任」という言葉をはじめ「自己〇〇」という言葉が流行し、自分で何とかして生きなさいという風潮が蔓延しています。このような世で生きねばならない中あってキリスト教は、「そうではないよ。あなたという存在を自分よりも大切にし、愛し抜いてくださっている方が共に居て下さるよ」と伝えます。そして、その方はあなたの労苦、痛みを担い軽くして下さっているよ。さらに喜びにはさらに大きな喜びを加えて下さるよとも伝えています。

 この神様が共に生きてくださっているからこそ私たちは他者の労苦を共に担い、分かち合っていく幸いが与えられているのです。そして、喜びを自己保存するのではなく分かち合い、共に喜ぶことができるのです。子どもたちは運動会に向けて一生懸命練習しています。「できた!」という喜びを分かち合い、「もう少しだよ、頑張ろう!」と労苦を分かち合う神の子として活き活きと幼稚園で生活する姿がそこにあります。

 この豊かで、喜ばしい関わりを結んでくださっているのは共に生きてくださっているのは神様に他なりません。そんな神様の心を感じながら子どもたちは日々成長し、喜びと共に生きています。